『ルポ 塾歴社会 日本のエリート教育を牛耳る「鉄緑会」と「サピックス」の正体』(幻冬舎新書)

「塾歴」は、これから、当たり前の言葉かもしれませんね。
この本は「タテの学歴」の「最終学歴(高卒か大卒か院卒かなど)
「ヨコの学歴」の「学校名(東大卒、早稲田卒など)」とは違う、「塾歴」という概念を提示しています。

開成、筑駒、灘、麻布などの進学校における中学受験で「サピックス小学部」が圧倒的なシェアを誇っていること(例えば、筑駒においては7割強がサピックス出身)
東大理Ⅲの合格者の6割強を「鉄緑会」(名門高校在学生だけに入学資格がある塾)が輩出している現実は「塾歴社会」という言葉は単なる煽りではないことを示しています。
この本ではサピックスや鉄緑会の出身者や元講師への取材をもとに、紹介されています。
中学受験は、地域性もあり、色々な考え方があるのは承知しております。著者は『追いつめる親』という本も書かれているので、受験に批判的な立場ははっきりしています。
本では、サピックスで消耗した子どもを強調したり、鉄緑会で生気を失った生徒を「鉄緑廃人」と呼んだりしていますが…
現在中学受験を検討中の親御様は、その辺りも頭にいれて読んで頂ければ、と思います。
現実には、塾で消耗した子どもばかりではありません。
中学受験では、小学校の勉強内容との大きな違いに戸惑いながらも、生き生きと子どもらしく塾生活を楽しんだ子どもさんたちが大半です。
選ばれたトップ校の生徒しか入れない塾、鉄緑会の生徒さんは基礎学力がちがいます。高校生活を軽やかに楽しんで受験に挑戦していきます。
神様は、一番輝くことのできる学校に進ませてくださるものです。(私は無宗教ですが)

私は、子どもが中学受験で通った塾(サピックスではありません)で、一生お付き合いできると思うママ友達と巡り会えました。

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